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生産性新聞 9月5日号「毎朝の坐禅」 転載

社会経済生産性本部発行の生産性新聞9月5日号「ほっとタイム」に掲載された原稿を転載。
知人の依頼で坐禅について何か、と言われ書いてみた。
1200字という制約で、やたら漢字が多く硬い文章になってしまった。
何より西嶋老師について書き足らなかったのが残念だが、この記事を見て何人かにでも関心を持っていただけるのならば、と思い掲載してもった。
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毎朝起きると、ベッドの横に置いてある丸い蒲団に腰を降ろし、庭に向かって坐禅をする。両足を組み、掌を重ねて親指の先をつけ、目は開き口は閉じ、背筋を伸ばす。
物音や目に入るものも、次々に心に浮かぶ事柄もそのままにし、追いかけない。後悔や不安にかられても、坐禅中は是非や善悪について考えない、という教えに従いただ姿勢を正す。10分20分と坐っていると、雑多な思いや感情の合間に、身心が静まる瞬間を実感する。30分たち、合掌して組んだ足をほどく。
それだけの坐禅を、毎日やる。二日酔いのときも、しみじみとつらさを噛み締めながら坐る。時間が無いときには10分でも、旅先や出張先でも坐る。なんとか毎日坐禅をするようになって約十年たつ。
父の葬儀に禅寺を借りたことで興味を持って読み始めた本のうち、これはと思った著者が東大仏教青年会で正法眼蔵の講義と坐禅指導をしていると聞いて参加した。西嶋愚道和夫老師とここでお会いしなければ、煩悩のカタマリのような私が、坐禅を続けるようにはならなかったと思う。
老師は、戦後東大法学部を卒業し、大蔵省、日本証券金融常任監査役と、実業の道を進みながら道元禅師の「正法眼蔵」全巻の精密な現代語訳を出版された。竜樹尊者の「中論」の梵語原典からの翻訳の他、「仏教・第三の世界観」等多数の著作があり、さらに外国人の弟子とともに出版した「正法眼蔵」英訳に続き、現在は「中論」の英訳、独訳に取り組んでおられる。
前永平寺管長丹羽廉芳禅師より嗣法された師家で、昨年までは顧問であった井田両国堂提供の市川ドーゲンサンガを拠点に、東大仏青、東方学院等各所で指導をされた。現在は外部での指導は引退され、86歳の今日、坐禅と著述の傍らブログを通じた日本語と英語による啓蒙を続け一人暮らしの日々を律しておられる。様々な教えを受けたが、企業の人事担当者の会で言われた「人間を技術的に操作しようとしないこと」という助言は仕事の折に思い返す。
「正法眼蔵」の奥深さ、美しさに魅せられる一方、坐禅を最も重視される老師の指導を受け、怠け者の私も毎日坐ろうと務めるようになった。師の教える坐禅は道元禅師の遺則だけに従う只管打坐で、肩を叩く「警策」も、公案も用いず、息を数えることもない。
現在、師の指導を受けた弟子の多くは、朝晩30分のこうした坐禅を日課としつつ、それぞれ坐禅会や勉強会を継続している。本郷三丁目の東大仏青でも、有志のサークル「赤心会」の名で毎月奇数土曜日の午後、坐禅と正法眼蔵研究の会を継続している。
坐禅の体験は言葉で説明できない独特のもので、常に新鮮。未体験の方は西嶋老師のブログなどを参考に、自宅で坐禅を試されると、各人各様の「実感」があると思う。
【ブログ集】西嶋老師ドーゲンサンガ赤心会幹事
by doutetsu | 2006-09-10 15:36
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