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重雲堂式 「いまこれを本源とせん」

10月3日(土)

45分の坐禅の後、講義室にて。
テキスト西嶋和夫著『現代語訳正法眼蔵 第一巻』
「五.重雲堂式」

(本巻の大意)より
「道元禅師が宋から帰朝されて後、最初に創建された山城の国字治の観音導利興聖護国寺における坐禅堂である重雲堂の式則すなわち規則である」
西嶋老師は提唱で『他の正法眼蔵と多少性格が違うが、道元禅師の考え方を理解するうえで貴重な巻』と言われました。
95巻本の正法眼蔵にしか編入されておらず、従い現在の岩波文庫版正法眼蔵には入っていません。

坐禅堂における規則を21条にわたって示しており、その内容は概略以下のとおり。
・名利の心のある者を入れてはならない。真実を知りたいと願う者を入れよ。
・坐禅堂内の衆僧は和合し、いさかいをおこしてはならず、規則を守らなければならい。他人の非や自分の是をあげつらってはならない。
・出歩かず、専一に坐禅をしなくてはならない。
・出入、招き入れ、その他すべて堂主に伝えその指示に従え。
・坐禅堂内では禅についてであっても文字を目にしてはならず、念誦看経、行道等は禁止、数珠も携えてはならないし、綾織物を着てはならない。
・鼻をかむ、声を出す、堂の近くで話をするなどしてはならない。酒に酔っていたり、にらやねぎの匂いをさせて入ってはならない。
・中国の叢林のしきたりに即して坐禅し参師聞法せよ。
・短い一生を安穏に無為の坐禅に生きたいと願うべきである。

基底にあるのは、、
「日本における僧堂の正しいありようはここから始まる」
「当時(においても)みられた、仏道を名誉と利得の具とすることを一切廃す」
「坐禅以外の仏教行事や威儀具足は無用」
との意思。
叢林/雲堂とは只管打坐が目的であり只管打坐を成立させるためだけに保持される場。

興聖寺の落成は1233年、僧堂完成は1237年、本巻は1239年の道元禅師39歳の年に示衆されている。

「おほよそ大千世界のなかに正嫡の付属まれなり。わがくにむかいしよりいまこれを本源とせん」
我が国においては、この興聖寺僧堂が正しい仏教伝統の源となるだろう。

道元禅師39歳の宣明であると、考えられます。
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今回から、Oさんが、正法眼蔵原文と老師の現代語訳を対照する資料を作ってくださいました。
英語の会ではすでに使われていますが、日本語の会でも今後この資料を配布いただく予定です。
お陰様で当会参加者の正法眼蔵の学習はいっそう取り組みやすいものになると思います。
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10月17日(土)は坐禅のみ。
10月31日(土)は次の「六.正法眼蔵 即心是仏」を読んでいきます。
by doutetsu | 2015-10-04 13:14 | 赤心会ゼミ録