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95.正法眼蔵八大人覚

坐禅の後、‘95.八大人覚’を講読。テキストは西嶋和夫著「現代語訳正法眼蔵第12巻」
(本巻の大意)より。
『八大人覚とは、釈尊が亡くなられる直前に説かれた教えであって、仏垂般涅槃略説教誡経すなわち遺教経の説くところである。それは少欲、知足、楽寂静、勤精進、不忘念、修禅定、修智恵、不戯論の八つをいい、いずれもきわめて具体的な実践道徳である』
本巻の大半は遺教経からの引用である。
その内容は、釈尊が涅槃に入られる前最後に比丘等に説かれた、‘偉大な人物が覚知している八項目の実践’にして、涅槃に至る道。
1.欲求を広く追い求めることをしない。
2.すでにあるもので満足する。
3.一人で衆を離れて静かに過ごす。
4.努力精進する。
5.気持ちを落ち着かせ集中を保つ。
6.心身の安定を実践する。
7.教えを聞き、思索して智慧を実践する。
8.遊戯的な議論を離れる。

最後段で道元禅師はこの「釈尊最後の教勅」を仏弟子は必ず学ばなくてはならないと強調される。結句は次のとおり。
『いま習学して、生生に増長し、かならず無上菩提にいたり、衆生のためにこれをとかんこと、釈迦牟尼仏にひとしくして、ことなることなからん』
建長5年(1253年)の正月6日に書かれた、道元禅師最後の示衆の巻である。同年8月28日、示寂。
この巻にはさらに懐弉禅師の追記がある。
いわく、道元禅師は今まで撰した正法眼蔵を書き改め、かつ新たに書き加え、全百巻に再編することを企図されたが、病が重くなってそれを果たせず、この八大人覚は新編の十二巻目にあたり、かつ最後のお教えであったと。道元禅師を慕う人は必ずこの巻を書き写し護持すべきである。
『釈尊最後ノ教勅、且ツ先師最後ノ遺教ナリ』
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ディスカッションでは
「釈尊最後の教えについては、これ以外のものも伝えられている。
「哲学的というより、まさに実践道徳。特に少欲知足などは現世・世俗哲学のきらいもある。
といった声もあった。
西嶋老師は、道元禅師が大事だと言われたものは、典拠の評価や正統性の問題を超えて必ず大事なものである、というお立場で提唱された。
ドウゲンサンガにおいて「正法眼蔵」を読むことは、西嶋老師の厳精な読み解きに導かれて道元禅師のテクストと向き合うことであり、そこに自分自身の人生に活かす「何か」を汲み取りたいと願う。

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今年はじめに西嶋老師が亡くなられた際、お通夜で御導師に経文を渡され唱えたのがまさにこの「遺教経」であった。
by doutetsu | 2014-10-19 17:33 | 赤心会ゼミ録