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西嶋老師を訪ねて

9月に受戒するH・SさんS・Sさんを、西嶋老師のお宅にお連れした。
お二人の絡子をお渡しして戒名をお願いしたところ、快くお引き受けいただいた。
外国人のお客さんが同じ日に泊まりに来た、ということで客用ベッドが二つになっていた。

受戒の儀式について、関西のGさんが記録をまとめたドーゲンサンガとしての式次第を先生にご確認いただいた。(サンスクリットに次いで勉強しておられるフランス語の書類をどけて)

用件が終わり、最近何冊か読んでみたテーラワーダ仏教について伺ってみた。
私が読むところ、西嶋老師の説く合理的・哲学的でかつ実践的な教えと重なる部分があるように思えたので。
直接的なご回答は無かったが、いろいろとお話が聞けた。

「初期のあり方にこだわっている人たちでしょう。
「大乗仏教の哲学的見地の高さはとてつもないもの。
ナーガルージュナの偉さは釈尊の教えが実在論であることを論証したこと。
観念論も唯物論もある面で正しい、のではなく、両方とも間違いであることを明らかにした。
「道元禅師の教えの中にはおよそすべての仏教的・哲学的観点が一分の狂いも無く明白に書かれている。そしてその中で説かれている実在論は、中論において明白に肯定されている。
「だから道元禅師の教えを学ぶことが今後必要で、それ以外のものはあまり必要ではない。
そう思ってドーゲンサンガを(ブログも含め)続けている。

【質問】教えの正統性を、釈尊が何を言ったかに求めるとすると、初期状態を温存しているのが正統になる。
ナーガルージュナは、釈尊が何を言ったかはともかく、哲学的に正しい体系を構築した、ということだろうか。

「そうではなく、釈尊がおっしゃった真理を論理的に解き明かした、ということ。
釈尊の「山川草木悉皆成仏」という悟り。この実在論を証明したのだ。

「最終的な力を持ちつつある欧米の文化が仏教を学ぶことでステップアップするということにならざるを得ないと思う。
世界はパワーで動く。その趨勢はほぼ決している。

【質問】アメリカ/ブッシュが始めたイラク戦争をどう思うか

「皆忘れているが、あの戦争の直前、世界中不景気だった。あの戦争によって世界景気が回復した
「原爆が落ちなければ日本は戦争をやめなかった

【質問】同じことをアメリカ人も再々言う。
昨日のテレビでアメリカに原爆投下の補償を請求すべき、という仮想マニフェスト討論の番組があった。
原爆に紛争解決の実効力、問題解決力がある手段である、というのが共通の認識である限り、核爆弾の拡散は避けられないと思うが。

「だから唯一のパワーが抑えなくてはならない。
主要国首脳会議は世界連邦のすでにキャビネットになりつつあるんですよ。
ニューヨークで万国旗を掲げて会議をしているは世界連邦の端緒なんです。

【質問】最大のパワーが押さえ込んでもパキスタンやイラクや北朝鮮のような国で作られた核爆弾がテロリストの手に渡ったら終わりでは?

「だから(冷戦時も言っていたように)人間は核爆弾を使うほど愚かではない、と、私はそういう見方です。


質問にお答えいただくうち、だんだんと老師の声は大きく、強くなり、隣室が気になるほどになった。
この問答だけ抜き出すと剣呑に見える部分があるが、弟子・受講者が読めば行間の徹底したヒューマニズムは想像いただけると思う。

S・Sさんの質問に答えて、
「死ぬということは電気が消えるのと一緒。悩みも何も感じようがない。それだけのことです。
私は死ぬことが怖いと思わない。ただ、生きているうちが大事」
とにこやかにおっしゃった。

またこの元気な声のご講義の機会を設けたい、と思いつつ、おいとました。
by doutetsu | 2007-08-13 00:12 | 西島老師について